Xジェネレーションの代弁者からアメリカを代表するバンドへ
パールジャムは90年代、アメリカを中心に起こったグランジ/オルタナティブロックのムーブメントを代表するバンドで、ヴォーカルのエディヴェダーの書く歌詞は当時のエックスジェネレーションと呼ばれる世代の若者の共感を呼び、同時期に活躍したニルヴァーナ、アリスインチェインズ、サウンドガーデンらと共に当時の音楽シーンに名をとどろかせました。
また先述した同世代のバンドの中でも一番安定し活動が続いているバンドで、数々の名盤を生み出すと共に、欧米での人気は高く、ライブでは数千人クラスの会場を満員に出来る、今尚最前線で活躍しているバンドです。
パールジャム:エピソード
★チケットマスター 彼等を語るときに必ず出てくるのがこれ。人気絶頂の時にチケットマスターの手数料が高すぎるとして、裁判を起こし一時期ライブが出来ないという状況になりました。
その後、売上の一部をチャリティーとして利用するなどとして和解。
★ライブ
とにかくライブパフォーマンスが凄かった彼等。特にロック史に輝く名盤1st「ten」を発売した頃のライブはエネルギーが大爆発しまくっているステージが評判を呼び、人気に繋がっていたと言われています。
★ライブアルバム(オフィシャルブートレッグ)
今でこそインスタントライブやアーティストのオフィシャルサイトでライブを丸まる録音して販売することは珍しいことではありませんが、2000年当時、パールジャムのようなメジャーバンドがライブごとに録音してすぐにCD販売する事は非常に珍しいことでした。ファンそれぞれの名盤や、実際に行ったライブがCDになるのですからこんなに嬉しいことはありません。
70タイトルのパッケージされたライブアルバムが店に並ぶという異常事態(?)が起こったことも。
パールジャム:最初に聴く3枚
テン:ten
全世界で1200万枚を売り上げたパールジャムを語るときに外せない名盤。
70年代のいわゆるブリティッシュハード、アメリカンハードなギターを基調に、重心の重いリズム隊と、「普通に歌う」ヴォーカルが当時の若者に支持されました。
ヘヴィメタル全盛以降のオルタナティブロックを代表する1枚でもあります。
いまだにライブ演奏されるとファンの盛り上がりが大きい曲も多く収録されており、一時代を築いたアンセムとして当時のファンには思い入れの多いアルバムといえるでしょう。
ノーコード:no code
所謂グランジムーブメントが落ち着いてきた1996年の作品。
喧騒を嫌った彼等は前作よりプロモビデオを一切作らないという姿勢を打ち出し、このアルバムに関してもほぼプロモーションなしというとんでもない状況でリリース。ソニーという大手レーベルでそんなことが許されたこともまた驚きです。
そしてさらに驚くべきことに、本作は初登場でビルボードの1位を取ってしまうのです。いかに彼等がファンに求められていたかということですね。
ニールヤングの「ミラーボール」で共演したことでバンドの緊張もある程度ほぐされ、どちらかと言うと大らかなタイプのアメリカンロックで構成されています。
あまり名盤として紹介されることはないのですが、転換期を見事に乗越えた隠れ名盤ということで、スルメ的に味わってください!
ライトニングボルト:Lightning bolt
彼等の最新作(2015年現在)。大きく路線を変更することなく、20周年を迎えた彼等の余裕さえも感じられる名盤。
しかし先行シングルでもある「マインドユアマナーズ」は彼等らしい社会に鉄槌を落とすかのようなパンキッシュなナンバー。それでいて「サイレン」のように何処かゆったりと身をゆだねたくなるような壮大な曲も収録されています。
アルバムに伴うツアーでは残念ながら日本には来ませんでしたが、北米、欧州とまさにワールドワイドな活躍をデビュー当時からずっと続けており、いまだに根強い、そして多くのファンに支えられていることを証明しました。
パールジャム:関連アルバム
Temple of the Dog テンプルオブザドック「テンプルオブザドック」
前身バンドマザーラブボーンのヴォーカリスト、アンドリューウッドを追悼するために作られたアルバムで名盤中の名盤。現在のパールジャムとサウンドガーデンのメンバーでほぼ構成されており、音楽性もパールジャムの1stやサウンドガーデンにある程度近い 物があります。エディーヴェダーとサウンドガーデンのクリスコーネルのデュエット「ハンガーストライク」はファンの中でもアンセム的な存在!