カテゴリー別アーカイブ: ブリティッシュハード

ザクザクとしたクランチリフが特徴的なスラッシュメタルバンド・エクソダス

スラッシュメタルを躍進・発展させ、世界のヘヴィメタルファンを虜にしたBIG4と呼ばれるメタリカ、メガデス、アンスラックス、スレイヤー。
彼らと共にスラッシュメタル黎明期から活動しシーンにおいて重要な役割を担ったサンフランシスコ出身のバンドがエクソダスです。

エクソダスは1980年頃に当時高校生だったカーク・ハメットと友人のトム・ハンティングを中心に結成されました。
結成当初はジューダスプリーストなどを中心にカバーしていましたが1982年頃からメンバーや方向性が固まり、オリジナルの楽曲を書きながら活動し始めます。
そのスタイルは彼らの出身地サンフランシスコ、港町をもじりベイエリアスラッシュと呼ばれ、後のスラッシュシーンに影響を与えました。
2度の解散などもありましたが、テスタメントのメンバーに向けたベネフィットライブで一時再結成。
ファンからもシーンからもバンドの存続を渇望され今に至ります。

これまでに何度か来日公演を果たしていて日本でのリリースも多く行っています。
今年にはラウドパーク2016にも出演を果たし、変わらぬその実力と人気を見せつけてくれました。

現在では、ギタリストのゲイリー・ホルトが近年病に倒れ死亡したスレイヤーのジェフ・ハンネマンの後任として活躍しています。
エクソダスファンからすればやや複雑な心境になったりもするのですが、実際にライブを見てみると、ゲイリー在籍のスレイヤーもなかなか感慨深いものがあります。

バンドとしては結構波乱万丈な道を辿っていますが、最近の安定したリリースなどをみるにやはり彼らの人気は不動であり、シーンから必要とされているのだなあと感服してしまいます。

エクソダス 名盤

栄光への挑戦 -Pleasures Of The Flesh-

1987年にリリースされたエクソダスとして2作目のアルバムで、日本デビューとなった作品。
前任ボーカリストであるポール・バーロフの後任として加入したスティーブ・ゼトロ・スーザがマイクを握って制作されました。
これ以降エクソダスの作品に常套句として使われる事になるアルバム1曲目の「語り」が使われ始めたのもこの時期。

スラッシュバンドでありながら実は彼らの大きな魅力でもある、ミドルテンポチューンにおいても冴えわたるリフワークやリズムワークが光る作品です。

歌詞や楽曲全体の音質を含めたクオリティも1作目から比べて大きく飛躍しています。これはリリースされた年が、メタリカの「マスターオブパペッツ」が発表された翌年だったことが少なからず影響しているようです。

ベイエリアスラッシュの成熟が垣間見れる初期の名盤!

エクソダスの名盤

ファビュラスディザスター

3枚目となるアルバムで、前作から用いられ始めたイントロの語りから楽曲が展開されていきます。
アルバム全体の作風としては、前作からの延長を思わせる流れがありますが、ミドルテンポチューンはよりグルーヴィに、ファストチューンはよりファストに進化しています。

2曲目のタイトルトラックである"ファビュラスディザスター"、3曲目の"トキシックワルツ"などスラッシュメタルシーンで長きに渡って語り継がれる名曲が収録されている事でもファンに支持されている1枚。

バンドとして、一番勢いに乗ってセールスを伸ばそうとしていた時期ということもあり、楽曲のキレも前作までとは比べ物にならないほどでした。このアルバムまでの時期を全盛期だというファンも多いほどです。名曲ぞろいで、なおかつ高密度な楽曲群はスラッシュメタルという枠を飛び越えてメタルシーンでも大きく記憶に残るもので、ヘヴィメタルファン必聴の作品!

エクソダス

ブラッドインブラッドアウト

2014年にリリースされたエクソダスの最新作です。
再々結成から数作のリリースがありましたが、それまでの作風とは違いダークでシリアスな雰囲気がフィーチャーされ、そういった作風には戸惑いを見せる古くからのファンも多かったようです。

ですが、今作はこれまでと逆行するかの如く初期エクソダスに寄ったファストかつキャッチーな曲調も収録されており、何度目かの復帰となったスティーブ・ゼトロ・スーザのヴォーカルもバンドに影響を与えていることは確かでしょう。
その証拠に(?)彼らの持ち味である迫力満点でザクザクとしたリフワークもどこか生き生きしているようにも聴こえ、楽曲ごとにメリハリの効いた演奏が光っています。

4曲目のソルトザウーンドではカークハメットがゲスト参加するなど話題性にも富んだ彼らの快作、ビールでも飲みながら頭を空っぽにして聴いてしまいましょう!

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ブリティッシュハードから全世界レベルのヘヴィメタルバンドへ ホワイトスネイク

世界的ロックバンドであるディープパープルの解散後、ボーカリストであったデイヴィッド・カヴァデールが始めたイギリスを代表するハードロックバンドがホワイトスネイクです。

デイヴィッド・カヴァデールを除くメンバーは彼をサポートするメンバーとして在籍しており、事実上彼のソロ活動といっても過言ではありません。
実際にメンバーも流動的で、一時期はディープパープルのメンバーが3人在籍していたり、ギターヒーローと呼ばれるスティーブ・ヴァイを始めとした有名アーティストが多数在籍する時期もありました。

現在はライブ活動に専念する形で活動しており、この活動形態になってから日本にもラウドパークにリンプビズキットとのダブルヘッドライナーとして来日しています。そして今年もラウドパーク2016へ出演しています。

音楽性としては、活動初期からディープパープルのような王道をゆくハードロックスタイルとは違い、ブルース要素などを取り入れた渋く、しっとりとした曲調が特徴となっています。
中心人物であるデイヴィッド・カヴァデールのファッション性もディープパープル時代とは違うものになっており、アメリカでの成功を目標に活動していた時期では髪を金色に染め上げていたりしています。

活動のみを見ればデイヴィッド・カヴァデールのソロ活動としての意向が色濃くみられますが、彼らの残した功績や作品の数々はヘヴィメタルやロックシーンで今でも語り継がれる伝説的なものばかりです。

ヘヴィメタルやハードロックを語るうえで避けては通れないホワイトスネイクという存在。
まだ耳にしたことがないファンの皆さんは要チェックです!

ホワイトスネイク 名盤

フールフォーユアラビング

ホワイトスネイクが1980年にリリースした3作目のアルバムであり、バンド初となるビルボード200へのチャートインを果たした作品。

当時の彼らの音楽スタイルはデイヴィッド・カヴァデールが元々在籍していたディープパープルのようなハードロックとは違い、ブルージーでシリアスなロックを展開していました。

ミッキー・ムーディ、バーニー・マースデンのギタープレイもエモーショナルでグッくるフレーズが多く含まれています。

タイトルトラックとなる1曲目のフールフォーユアラビングはアメリカのチャートで10位に食い込んだアルバム「スリップオブザタング」にリアレンジされたものが収録されています。

複雑なバンド構成ではありますが、ホワイトスネイクとしてのあり方をしっかりと示した作品です。ハードロックファンのみならず、多くのロックファンにオススメできる1枚!

ホワイトスネイクの名盤

サーペンスアルバム-白蛇の紋章-

1987年にリリースされたホワイトスネイクの7作目となるアルバムです。今作はアメリカビルボードチャートにてマイケルジャクソンに次ぐ2位という好成績を残しており、ジャンルを超えた名盤との呼び声も高い作品です。

前作をリリースし、デイヴィッド・カヴァデールが喉のポリープを摘出する手術を受けた後の作品となっていました。
何らかの影響があるとみられていましたが、彼は手術をしたことで喉にこれまで以上に力がついたとコメント。その通り、全編通してこれまで以上にハードロックサウンドを堅持し、さらにアメリカナイズドされた楽曲を展開しています。

ジョンサイクスのギタープレイもひかっており、それまでややマイナーだったサイクスの名を多くのメタルファンに轟かせたといっても良いでしょう。
アメリカでの成功を渇望していた時期の作品で当時のファンからは賛否両論となっていますが、今となっては先述したとおりジャンルを超え時代を代表するアルバムとして多くのファンに支持されています。

ホワイトスネイクの名盤

パープルアルバム

再録ブームといっては何ですが、それに乗っかったとも言える1枚。
但し、そこはカヴァーデイル。彼が在籍していた時期のディープパープル作品をセルフカヴァーしたアルバムとなっています。

「ディープパープルは我々が生んだ音楽へのセレブレーションなんだ」とコメントした今作は、先のような理由も相まって、彼らのファンにとっては興味を抱かざるを得ない内容となっています。

ホワイトスネイクからの解釈がなされたこの「カバーアルバム」はファンからはディープパープルのエッセンスをふんだんに取り込んだホワイトスネイクの新作とも言われるほど、単なるリレコーディングに終らない興味深い内容になっています。

惜しくも亡くなってしまったジョン・ロードへの追悼作品という意味合いも含め、非常に重みのある作品。パープルファミリーを追いかけているファンには様々な感情が湧き出てくる事でしょう。

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